副業は事業所得ではありません!雑所得です。

副業は雑所得。事業所得ではない。

 

政府が働き改革で副業や兼業をすすめています。

 

実際に大企業でも収入が頭打ちになる、実質賃金が目減りする、終身雇用はできない。
という負の情報は伏せておいて副業を認める会社が増えています。

 

メルカリやAmazon、Yahoo!ショッピング、ネットオークションなどで代表されるように、転売、せどりなどを副業としている人も増えています。

 

他にも、仮想通貨の売却益、民泊による所得など様々な副業があります。

 

副業の場合は、給与所得以外に副収入が20万円を超える場合は確定申告をする必要があります
(20万円は収入そのものではなく、経費を除いた所得)

 

この確定申告する時に、多くの方が副業と業がつくのだから、事業所得として申告して、
副業の収入を得るためにかかった費用を経費として処理しています。

 

しかし、これは間違いです。

 

これらの副業収入は雑所得に分類されます。

 

雑所得は経費が認められていないので、副業にかかった費用は経費で落とすことはできません。

給与所得者は副業を事業所得として申告できない

給与所得者が確定申告で事業所得として申告しても事業所得にはなりません。

 

主な所得が給与所得のサラリーマンの場合、ほとんどが「雑所得」になります。

 

税務署から認められなければ修正申告をすることになります。

 

<給与所得者が雑所得として申告する副業>

  • 原稿料
  • モデル料
  • オークションでの利益
  • フリーマーケットの利益
  • アフリエイト収入
  • FX  など

<国税庁による事業所得の定義>
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営なみ、独立・継続・反復して行われる仕事

 

給与所得者が、副業を事業所得と認めて貰うにはハードルは高いです。

副業を「事業所得」で申告するメリット

事業所得の場合は青色申告での

  • 65万円または10万円の青色申告特別控除、
  • 純損失の繰越と繰戻し
  • 30万円未満の少額減価償却資産
  • 給与所得との損益通算
  • 青色事業専従者給与

の特例を受けることができますが、雑所得の場合はこれらの控除条件を利用することはできません。

課税される所得の区分

副業は雑所得。事業所得ではない。確定申告

青色申告の所得区分は10種類の種類があります。

 

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得です。

 

民泊による所得も不動産所得でありませんから注意が必要です。
【国税庁HPに掲載されています】

 

ですが、副業の所得が事業所得になるのか、雑所得になるのかは税法上では明確にされていません。

 

しかし、あとでも紹介しますが裁判例などを見てみると副業で得られた収入は雑所得で申告するのが現在の解釈のようです。

 

つまり、どういう事かというと、副業の収入を事業所得で申告して、その収入を得るのにかかった費用を経費処理して、税金を少なくすることができても、
あとで、経費としてみとめられなかった費用に対して税金が請求されるということです。

 

ですので、経費による損金処理が多額であればあるほど、あとで痛い目に合う可能性があるのです。

 

経費が多かったので確定申告したら税金が還付された。

 

税務署から支払調書が送られてきので、確定申告の内容が認められたということではありません。

 

税務署は一応申告された書類の数字だけで判断して、とりあえず還付するのですが、
3年ぐらいたってから税務調査が入り過小申告で追加納税、延滞税などが請求されることがあります。

 

国税庁のHPから税務起訴資料の例を紹介

副業は雑所得。事業所得ではない。税務署

副業をしていた人をAさんとします。
Aさんは、会社から年収800万円を超える給与所得を得ていました。

 

平成23年から副業で、猟銃が趣味なことから自ら猟銃の販売を始めます。

 

会社は兼業禁止規定はありません。

 

事業所の所在地は自宅とし猟銃等の製造事業及び販売事業の許可を受けます。

 

ブログを通じて営業をするのですが、なかなか仕事の依頼が来ませんでした。

 

あっても本業の鍛冶業務に関係する仕事で、収入は各年0円又は数万円程度。

 

しかし、副業にかかる経費が毎年発生していて、その経費を損金として申告していました。

 

その結果、初年度は44万4450円、次年度は51万5150円、3年目には50万6371円、
3年合計で約150万円の税金の還付を受けていたのです。

 

この申告が税務調査で認められず過少申告加算税賦課決定処分が取り消され追加徴収されました。

 

Aさんは、起訴を起こして争ったのですが、認めてもらえず平成28年に敗訴しました。

参考元:税務訴訟資料 第266号−13(順号12791)

 

このAさんの例のように、副業は事業所得と勘違いしていると、あとで大変な目にあう可能性があるということです。

 

「副業」は「業」がつくから事業所得だろうと安易に考えていると、通常の税金に加え延滞税が加わり余分な税金を支払うことになります。

 

ですので、税務署からお金が還付されても安心しないでください。

 

税務署は3年泳がせますから3年後に連絡が入るかも?

 

ネット上では、領収書さえあれば何でも経費で落とせるという情報も飛び交っていますが、鵜呑みにしないでください。

事業所得なら、副業で赤字が出たら給与所得などから損失を差し引くことができますが、雑所得では損失をほかの所得から引くことができません。
参考:国税庁 損益通算

副業を申告しなかったらどうなる?

基本、税務署にバレなければOKです。(笑)

 

ですが、あなたが収入があるということは、お金をあなたに支払った人がいるはずです、

 

その人が会社なのか個人なのかわかりませんが、支払った側は経費で落とそうと帳面にあげているでしょう。

 

もし、そこに税務調査が入ると調査官は反面調査で支払った先を調べることになります。

 

特に個人に対する支払いは不正につながることが多いので裏をとりにいきます。

 

もし、そこであなたが不正をしていればアウトです。

 

追加の所得税だけでなく住民税まで影響しますよ。

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