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2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑(ほんじょたすく)さんが、大阪国税局から2014年〜2018年までの5年間で22億円の申告漏れを指摘されました。
この5年間に受け取った約22億円の報酬に対して、税金を納めていない脱税と認定されたのです。
本庶佑教授の追徴税額は、過少申告加算税を含めおよそ7億円で、すでに修正申告し納税したそうです。
この事件は、本庶佑教授の名誉のために言っておきますが、悪いことをしたわけではありません。
税金の罠にはまったのです!
本庶佑教授は22億円を受け取っていません。
それでも、税務署から脱税と認定されたのです。
日本国民なら誰でもがこの罠にはまる可能性があるのです。
それは日本の税金は発生主義で原則動いているからです。
もう少し、この事件を詳しく解説します。
本庶佑教授は、大阪の製薬会社、小野薬品工業と共同でがん治療薬の「オプジーボ」を開発し、開発途中の2006年に販売額の一部を、特許の使用対価として支払う特許使用料の配分などについて契約を結びました。
しかし当時のこの契約が、正確な説明や情報提供がないまま結んだもので、配分が不当に低く抑えられているとして本庶佑教授は、受け取りを拒否していたのです。
しかし、小野薬品工業はこの対価を法務局に供託したのです。
大阪国税局は供託金であっても本庶佑教授の所得になると判断し課税しました。
この時の契約は、小野薬品工業から契約の条件変更の提案が示されたのですが、本庶佑教授は納得できず現在、特許使用料の配分の見直しなどを求める訴訟を検討しているということです。
両方が合意がないまま、2014年からオプジーボの販売が始まりました。
2014年から2018年までの報酬に対する所得税が過少申告加算税を含め追徴税額が約7億円ということです。
本庶佑教授は、弁護士や税理士と相談して、供託金を全額受け取ったうえで修正申告し納税しました。
日本の法律では、供託金を受け取らずに放置していても追徴課税は免れず、さらに今後増え続けるからです。
先にお話ししたように日本の税金は発生主義です。
あなたもこの発生主義という税金の罠にはまるかもわかりませんよ。
あなたのボーナスが12月10日に支払われることになっているとします。
あなたのボーナスは100万円支給されることが決まりました。
しかし、このコロナ渦です。
会社も資金繰りが悪くなりボーナスの支払いが4ヶ月伸びて4月10日になったとします。
この時、あなたが3月に確定申告しなければ100万円のボーナスにかかる10%の税金10万円が脱税になるのです。
つまり、お金を受け取った日ではなく所得の権利が発生した日が税金の基準日なのです。
外資企業ではストックオプションを貰っている人が多いですが、ストックオプションは権利を行使しても売却しなければ現金として入金されません。
しかし、税金は権利行使日に税金が発生するのです。
さらに、ストックオプションを売却した日にも税金は発生します。
最近、米国株の投資をしている人が増えていますが、多くの人がDRIP(配当自動再投資)をしています。
受取る配当で、同じ株を、自動的に、売買手数料がゼロで、当日の価格よりも安い株価で買える制度です。
この時にも、配当を現金で受け取っていないにもかかわらず、日本では配当権利確定日に2割の配当税が発生するのです。
確定申告で米国納税済みの10%を差し引いた10%を支払う義務があるのですが、これを忘れると税務署は、米国納税済みの10%を無視して、20%課税して2重課税をしてきます。
もう一度言います。
日本の税金は発生主義ということを忘れないでください。
もし、あなたが税金について気がかりなことがあったら「税理士ドットコム」に相談してみるのもいいでしょう。
スポットでも頼むことができて、あなたの悩みを解決してくれる良心的な税理士を紹介してくれますよ。